2007年9月3日月曜日

雨月物語 感想

ときどき帰りによるDVD店で「雨月物語」を980円で買いました。
ワンコインDVD同様著作権保護切れの名作を1800円で売っていたのが安くなっていたようです。
他にもオズ・クロサワ等がありました。

1953年の作品で今から54年前。
昭和28年で皇紀2613年・・・
出来事としては衆議院「バカヤロー」解散。
ソ連の水爆保有発表でゴジラ誕生1年前。

原作の短編集より2本を持ってきて「肉」にして、
依田義孝の作った「骨」に貼り付けた作品。
原作というよりは「原案」に近いくらい変わっている。
ある意味シェイクスピアの原作をアニメ化したものの元祖かもしれません。

怪奇と幻想は少なめ。
料理で云うと備え付けのパセリ程度。
とても残念。
人間のあさましさとはかなさ、したたかさに重点が込められています。
戦国時代を描きつつ、その情景はまさに戦中戦後の様。

私は著作権保護は現状の50年でいいと思います。
70年に変える理屈もわかりますが野暮で西洋的。
捕らえた獲物を骨までしゃぶる狩猟民族の発想です。

これから時代は東洋型の農耕民族の発想に変わるという話もあります。
文化という土地を耕し、コンテンツという種を得てゆくには
その種籾を一部の人間が出し惜しみするのはコンテンツの弱体化を意味します。
・・・まぁ、別に70年になっても困りはしませんけど。
そんな小汚い種籾よりもはるか古の文化を探してゆけばいいのです。
校正者や版元の手垢にまみれていないものを。