2007年12月11日火曜日

狐の呉れた赤ん坊 視聴

阪妻の、と言っても私の同世代でも知らん人も多い
日本の名優阪東妻三郎の名作、「狐の呉れた赤ん坊」が
日本名作映画集より1,000円DVDで発売されました。

実はこの映画数年前に劇場で観たのですが、いい話です。
演出も小技が利いていて、飽きさせません。
所謂名監督として名高い連中のモノが出尽くしたおかげで、
1,000円DVDにこの作品も入ってきて思わず買いました。

1945年の作品。昭和20年であり、皇紀2605年の時代。
主な出来事は広島、長崎への米軍による原子爆弾攻撃。
主要都市への相次ぐ空襲。終戦詔書のラジオでの放送。
前出の「七つの顔」の前年、つまり敗北と終戦の年です。

GHQにより刀とチャンバラが禁じられた時代。
剣戟スターの阪妻もこの作品では川越人足。
豪快さと細やかな演技を見せてくれます。
子役の沢村アキヒコはこのDVDの解説では津川雅彦になっていますが、
あちこちの資料では兄の長門裕之になっています。
(津川さんも別役で出ているみたいだけど)
私の好きなマキノ正博の作品のように脇役が個性的でキャラが立っていて、
物語をより活性化させます。



年取ると何ですか、こういうええ話というか
視聴後にええ気分にさせてくれる作品に弱くなりました。
サイレントの頃のニヒルでクールな阪妻よりも、
決闘高田馬場やこの作品のような豪快な作品の方が好きです。

一緒に買ったのが
「丹下左膳餘話 百萬両の壷」
これが1,000円とは・・・LD買っちまった私は複雑な心地。
こいつも必見。一生に一度くらいは90分くらい時間作って見ても損はしない。

その話は次回。