2007年12月11日火曜日

丹下左膳餘話 百萬両の壷 視聴

山中貞雄の傑作時代劇。
あちこちで語られているので多くは云わない。
私はこの作品に映画館や京都の博物館、VHSにLDまで散在しました。
それだけ面白い作品。
こんなの観てしまったら今の時代劇がどれだけリズムもテンポも
演出も切れ味が鈍ったことが判るはず。
・・・でも、それは仕方のないこと。
この前後の時代は時代劇の顧客が一番若かった時期。
それから段々と顧客の老齢化と共に切れ味が鈍るのは時の流れです。


1935年の作品(DVDケースには1953年とあったり)
昭和10年で皇紀2595年。
主な出来事は幕末機関説ならぬ天皇機関説で美濃部達吉が不敬罪で告発。
ドイツの再軍備。ペルシアがイランに国号を改称。

演出、カット割り、展開全てがすばらしい。
拳銃ぶっ放すお藤さんもいいけど、
左膳といっしょに子煩悩ぶりを見せるこっちもいい。
ホームコメディ化した左膳だけど大河内さん、斬る瞬間はすごい。
一瞬で片腕で抜いて斬って、さっさと鞘に収める。
その一連の動きも必見です。